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ブライアン・イーノ デヴィッド・バーンへの書簡でガザ虐殺を激しく非難

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7月25日にブライアン・イーノがデヴィッド・バーンへ宛てた書簡が、デヴィッドのWebで公開された。全文紹介する。

皆へ、

この手紙で暗黙のルールを破ることになるが、これ以上黙っていられない。

今日、私はパレスチナの男性がプラスティック製の肉用の箱を抱えて泣いている写真をみた。それは彼の息子だった。彼の体はイスラエルのミサイル攻撃でばらばらにされた。明らかに新しい武器、フレシェット爆弾だ。どんなものか知っていると思うが、小さな鉄製のダーツ状のものを爆薬の周りに詰め込んだもの、それが人間の肉を引きちぎる。少年の名前はモハメド・カリフ・アルナワスラ。彼は4歳だった。
私はその袋の中が自分の子どもだったらどう思うか考えているのに気がついた。そして今までになく怒りがこみ上げてきた。

アメリカでは何が起こっているんだ?私自身の経験から、ニュースがどれだけ偏っているか、そしてこの話の片側についてほとんど耳にしていないことを知っている。しかし、それがキリストの目的のためか?答えは難しくない。なぜアメリカは民族浄化の一方的な実行を盲目的に支援し続けるのか?なぜだ?私にはわからない。AIPACの力について考えるのにはうんざりだ。もしそうであるなら、君たちの政府は根本的に腐っている。いや、それが理由ではない。しかし私はどうしたらいいのかわからないんだ。

私が知っていて好きなアメリカは、同情にあふれ、心が広く、創造的で、多様で、忍耐強く、寛大なものだ。私の親しいアメリカ人の友人たちは正にそれを体現している。しかしアメリカはこの酷い一方的な植民地主義の戦争を支援している。私にはできない。君たちだけでないことは知っている。どうしてこういう言葉が耳に入らないんだ?自由と民主主義の概念をアイデンティティの基盤にしている国が、人種差別主義の神聖政治を支持して金を使うのが、どれだけ酷く見えるか判っているのか?

私は昨年メリーとイスラエルへ行った。彼女の姉はエルサレムのUNWRAで働いている。案内をしてくれたのは彼女の夫でプロのガイドのパレスチナ人のシャディと、イスラエルのユダヤ人であるオレン・ヤコノビッチだ。オレンはIDFから来た元少佐で、パレスチナ人たちを殴るのを拒否するために公職を離れた。彼ら二人の間で何か苦悩があるのに気がついた。入植者たちが糞尿や使用済み生理ナプキンをパレスチナ人たちに投げつけるのを防ぐために、パレスチナ人の家はワイヤーや板を打ち付けてあった。パレスチナ人の子どもたちが学校へいく途中で、イスラエルの子どもが野球のバットで殴り、それを親たちが囃し立てて笑っている。村じゅうが脱出して洞穴で暮らしていると、入植者がその土地にやってくる。丘の上のイスラエルの入植者が、ふもとのパレスチナ人の農地に下水を垂れ流す。「壁」だ。検問所と、終わりのない毎日の侮辱。私は考え続けた。「なぜアメリカ人はこれを許容するんだ?なぜこれをOKだと思うんだ?それとも知らないのか?」

平和のプロセスについて。イスラエルはプロセスを望んでいるが、平和は望んでいない。「プロセス」によって入植者は土地を奪い、入植地を作る。パレスチナ人が感情を爆発させると、最新鋭のミサイルや劣化ウラン弾で体を引き裂かれる。それがイスラエルの「自衛の権利」だからだ(一方パレスチナ人は持っていない)。入植者の民兵はこぶしを振り上げ、他人のオリーブ畑を奪い、軍はさらに酷いことをする。ところで、彼らのほとんどは元々のイスラエル人ではない。ロシア、ウクライナ、モラヴィア、南アフリカ、そしてブルックリンから最近イスラエルへ来た「帰る権利」を主張するユダヤ人で、土地に対して神が与えた不可侵の権利だとの考えを持っている。そしてアラブ人を「害虫」扱いしている。ルイジアナの学校で過去にあった、傲慢で恥ずべきレイシズムとまったく同じだ。それが私たちの税金が守っているカルチャーだ。KKKに送金しているのと同じだろ。

しかしこれよりも、私を苦しめているのはもっと大きな構図だ。好むと好まざると、アメリカは「西側」を代表している。そしてこの戦争を支持しているのが「西側」だ。モラルと民主主義について声高く語っているのに。啓発的な西側の文化の市民的な達成のすべてが、狂気のムッラーの歓喜と偽善のために損なわれることを危惧している。戦争にモラルの正当性はない。現実的な価値はない。キッシンジャーの’Realpolitik’の感覚はない。戦争は私たちを悪に見せるだけだ。

これが君たちすべてを不快にするのは申し訳なく思う。君たちは忙しいし、政治にアレルギーもあるだろう。しかしこれは政治の問題ではない。私たちが作り上げた市民的な価値を破壊しているのが、私たち自身なんだ。この手紙には何も修辞的なことはない。もしも修辞的なことで済めばよかったのだが。






管理人K (久保田直己

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* 福島恵一氏のご指摘により、一部修正いたしました。福島様、有難うございました。(8/3 17:00)

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福島恵一

初めまして。貴重な情報をありがとうございます。Facebookのシェアでこの記事を知りました。訳について気になった個所を2点指摘させていただきます。まず「彼らのほとんどは元々のイスラエル人ではない。(中略)から最近イスラエルへ来た連中で」という部分ですが、原文にある「 'right of return' Jews」を訳していただいた方が良いように思います。Facebookのコメントでこれらの人々を「傭兵」と解していたものがありました。「ユダヤ人だからイスラエルに『帰る』権利がある」として移民してくる人たちのことですよね。もうひとつは「オレンはIDFから来た元市長」ですが、IDFはイスラエル軍のことなので、原文の「ex-major」は「元少佐」ではないかと。その方が「殴るのを拒否するために」にもすんなりつながります。ご検討よろしくお願いいたします。
by 福島恵一 (2014-08-02 12:51) 

管理人K

福島様、英語原文まで読んで頂いてのご指摘有難うございました。日曜に反映、修正させていただきます。
by 管理人K (2014-08-02 17:48) 

福島恵一

真摯に受け止めていただきありがとうございます。現行の訳文でもよく読めば「傭兵」などという誤解は到底生じ得ないのですが(「土地に対して神が与えた不可侵の権利だとの考えを持っている」傭兵なんてそもそも原理的に存在する訳がないので)、それでもそう読んでしまう者がいるのは、そう読みたい欲望があるからでしょう。案の定、そのコメントには「傭兵は戦争屋だ」とのコメントが、その後続けられました。そのように見なすことにより、自分と一切関係のない者たちの仕業だと思い込みたいのでしょうね。そのようにして現実の見たくない部分を見ないようにしていくのは悲しいことです。
by 福島恵一 (2014-08-02 23:46) 

稲岡邦弥

古くからの友人である池上 比沙之さんのfbでこの記事を知り、関心のあるブライアン・イーノからデイヴィッド・バーンに宛てた書簡の内容に強く共鳴し自分のfbにシェアさせていただきました。訳文の中の「彼らのほとんどは元々のイスラエル人ではない。ロシア、ウクライナ、モラヴィア、南アフリカ、そしてブルックリンから最近イスラエルへ来た連中」を「傭兵」と読み違えたの私です。福島恵一さんが指摘するように、”現行の訳文でもよく読めば「傭兵」などという誤解は到底生じ得ないのですが(「土地に対して神が与えた不可侵の権利だとの考えを持っている」傭兵なんてそもそも原理的に存在する訳がないので)”、私が「傭兵」と読み違えた部分は、福島さんの言葉を引用させていただくと、「ユダヤ人だからイスラエルに『帰る』権利がある」として移民してくる人たちのこと」でした。まったくの早とちりで、私のfbを読んで共鳴していただいた方々に誤解を誘導してしまったことを深くお詫びいたします。
福島さんには、返す刀で、”それでもそう読んでしまう者がいるのは、そう読みたい欲望があるからでしょう。”そのように見なすことにより、自分と一切関係のない者たちの仕業だと思い込みたいのでしょうね。そのようにして現実の見たくない部分を見ないようにしていくのは悲しいことです。 ”と断罪されましたが、これは福島さんの誤解です。誤解が誤解を呼んでしまいましたが、”現実の見たくない部分を似ないようにしていく”者であれば、そもそもシェアすることもないと思います。
何れにしましても、私の誤解を正していただいた福島恵一さんとそれに気付かせたいただいた池田 達彌 さんに感謝いたします。


by 稲岡邦弥 (2014-08-03 04:40) 

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by お名前(必須) (2014-08-04 13:52) 

oem

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by oem (2017-08-04 10:20) 

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